不動産業界のIT化の現状と未来|進めるメリットや押さえるべきポイントも解説

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不動産業界のIT化の現状と未来|進めるメリットや押さえるべきポイントも解説

不動産業界において、IT化について遅れていると言われることがありますが、IT化を推進する企業は増えてきています。 

そこで今回は、不動産業界におけるIT化の現状と、IT化を推進することでどのような未来が待っているのかを解説していきます。実際にIT化を進めていく中で、押さえるべきポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 

不動産業界のIT化における現状

不動産業界のIT化における現状

まずは、不動産業界のIT化がどのように進んでいるのか、現状を解説します。 

不動産業界は、他業界よりも「アナログ」と言われている 

不動産業界は他業界と比較して「アナログ」と言われることが多く、従来的なマンパワーに頼っている企業は現状もあります。

しかし、2023年に全国賃貸住宅新聞などが不動産関連事業に携わる1,436名に行った「不動産業界のDX推進状況調査2023」では、DXに「取り組んでいる」「取り組む予定」と回答する企業は、管理戸数3,000~5,000戸の企業で96.6%と最多を誇っています。一方、100戸未満の企業は56.5%で半数は超えているものの、約4割は「取り組む予定はない」と回答しています。

コロナ禍以降、顧客体験の変化が求められた 

不動産業界は従来、顧客と対面で対応することがほとんどでした。しかし、2020年頃に発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、非接触対応を増やすため顧客体験の変化が求められました。 

例えば、オンライン接客や遠隔接客による非接触対応です。これまで物件の内見や重要事項説明などはすべて対面で行われてきましたが、オンラインを介した接客にするため急速に対応を変更していった企業が多く見られます。 

また、不動産会社だけでなく消費者側にも変化が生じています。株式会社TERASSが不動産エージェントを対象に行った「コロナ禍における住宅売買の変化に関する調査」では、消費者の家探しが変わったと実感した人は約8割にも上っていました。 

このように、コロナ禍以降は消費者の考えにも変化が起き、不動産業界はそのニーズに応えるためにも変化が求められるようになっています。

「不動産テック」に注目が集まっている 

コロナ禍よりも前から「不動産テック」に注目は集まっていましたが、コロナ禍以降はさらに注目度が高まるようになりました。不動産テックとは、不動産とテクノロジーを組み合わせた言葉です。最新のテクノロジーを活用しつつ従来の在り方を変え、企業または業界の問題点を解決に導くための技術となります。 例を挙げると、VR技術を活用した物件の内覧や不動産管理業務を支援するITツールなどが該当します。

株式会社矢野経済研究所が行った「不動産テック市場に関する調査」では、2020年度の時点で不動産テック市場規模は6,110億円(事業者向け1,257億円・消費者向け4,852億円)を記録していますが、2025年度は1兆2,461億円(事業者向け2,445億円・消費者向け1兆17億円)まで拡大すると予測しています。不動産テックの市場規模は右肩上がりに成長していることもあり、今後もますます注目度は高まっていくと考えられます。

不動産業界のIT化によって取り入れられている最新技術

不動産業界のIT化によって取り入れられている最新技術

現在不動産業界では、最新技術を取り入れている企業もあります。具体的にどのような最新技術を活用しているのか、解説していきます。

IoT 

IoT(Internet of Things)は、日本語で「モノとインターネット」を指しています。家電や家の設備がインターネットと接続することで、遠隔からの操作や離れた状態からでも把握・管理できるようになります。例えば、夏に帰宅するとしばらく暑い状態が続きますが、エアコンにIoTが導入されていた場合、帰宅する前にアプリからエアコンの電源を付けることができ、帰宅した直後でもちょうど良い気温で快適に過ごせます。 

不動産業界では、IoT技術を活用した住宅「スマートハウス」が現在注目されています。スマートハウスはIoT技術を活用し、スマホやPCから照明器具や設置された家電など、あらゆる住宅設備を操作できるようにした住まいです。 

いい生活オンラインセミナーでは、スマートホームのシステム開発と住宅開発を担う企業「HOMMA」の創業者・本間毅氏を招いたセミナー動画を公開しています。IoTシステムによる連携と生活スタイルの変化、スマートホームの開発秘話など、興味深い話題が詰まったセミナーとなっています。興味のある方はぜひ以下アーカイブ配信からご覧ください。

2022年5月26日開催【緊急企画】住宅産業のテスラを目指す、シリコンバレーのスマートホーム HOMMA 創業者 本間毅氏登壇!

ブロックチェーン 

ブロックチェーン(分散型台帳技術)とは、取引履歴を連結して記録していくことで、データの改ざんを防ぐ技術です。元々はフィンテックでの活用が主体で、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を管理する仕組みとして取り入れられていました。 

取引履歴が記録されたブロックがチェーンによってつながって管理されています。万が一データの改ざんを行おうと思っても、チェーンにつながれているブロックすべてに手を加えなくてはならないため、取引数が多ければ多いほどデータの改ざんが理論上不可能になります。 

ブロックチェーン技術は不動産業界において不動産情報の管理・取引などに活用されています。データ管理の信頼性が高いため、消費者の安心感にもつながるでしょう。

スマートコントラクト 

スマートコントラクトは、契約する際にかかるコストや手間を削減することを目的に、契約を自動化させるためのシステムです。不動産業界には賃貸借契約や売買契約など、さまざまな契約手続きが存在します。一つひとつをすべて社員が手作業で進めていく従来のやり方だと、どうしても時間と手間がかかっていました。 

しかし、スマートコントラクトを契約手続きに導入することで、業務の効率化を進めることが可能となります。例えば、売買契約の仲介時、契約書に捺印されると社員は買主側と売主側に対して連絡し、金銭のやり取りや登記手続きなどを進めていく必要があります。そこでスマートコントラクトに一連の業務を既定しておき、自動化できる部分を任せてしまうことで社員の負担軽減が可能となります。 

また、スマートコントラクトにはブロックチェーンが導入されており、取引の信頼性も確保されています。

VR・AR 

VR(Virtual Reality)は、日本語で「仮想現実」という意味を持つ言葉です。専用のゴーグルやディスプレイを使用し、360°の映像を見ることでまるで仮想現実の中にいるような体験ができます。臨場感の高さと没入感を得られることから、ゲームなどにも取り入れられていますが、近年は不動産業界でも取り入れられるようになりました。 

例えば、オンライン内見で物件の360°映像を見ながら、間取り図だけではわからない空間の様子などがVR技術によって伝えられるようになります。内見は、消費者と不動産会社の双方にとってムダになってしまう時間も多いですが、VR技術を取り入れたオンライン内見によってミスマッチを減らし、ムダな内見を減らすことができます。 

AR(Augmented Reality)は、日本語で「拡張現実」と訳される言葉です。AR技術はスマホなどの画面に現実の世界を映し、その中にデジタルコンテンツを表示させて現実世界を拡張させる技術となります。 

このAR技術を取り入れることで、内見をしながらその部屋にどのような家具を置くのかシミュレーションできるようになります。ARによって配置した家具をそのまま購入できるシステムもあり、インテリア業界でも注目されている技術です。 

クラウドSaaS 

クラウドSaaS(Software as a Service)は、不動産管理に関する情報などを一元管理し、管理業務の効率化を目指すシステムです。クラウド型のため、初期費用を抑えることができ、なおかつ情報共有のしやすさやシステム提供会社による最新版へのアップデートがされることなどのメリットも多いです。 

クラウドSaaSを選ぶ際は導入実績が豊富であることや、自社の課題を解決できるサービスが提供されていることが重要です。例えば、『いい生活のクラウドSaaS』はサポート品質の満足度が90.8%で、契約社数は法人1,500社・4,500店舗以上にも上っています。売買仲介業務・賃貸仲介業務・賃貸管理業務それぞれの課題解決を支援するサービスを提供し、各企業に合わせて業務効率化を目指すことも可能です。 

不動産業界のIT化を進めるメリット 

不動産業界のIT化を進めるメリット 

 不動産業界でIT化を進めていくことで、さまざまなメリットを得られるようになります。主なメリットは以下の3つです。

  • 売上増加が期待できる
  • 業務の効率化につながる
  • 顧客満足度を向上させられる

それぞれ解説します。

売上増加が期待できる 

IT化により、反響に対する追客業務などがスムーズに行いやすくなります。また、チラシや店舗営業だけでは自社の情報を届けられないユーザーへのアピールもしやすくなり、より多くの人に物件を提案できるようになります。

さらに、IT導入によってオンラインでの重要事項説明や契約手続きが行えるようになると、時間の都合的に来店が難しい顧客にも対応できるようになり、アプローチできる顧客数を増やすことも可能です。「不動産業界のDX推進状況調査2022」によると、IoTやAI、ビッグデータなどの技術を用いる「DX推進」を進めた企業のうち、具体的な効果として商談成約率のアップにつながった企業は25.6%、集客力アップにつながった企業は21.0%という結果が出ています。

業務の効率化につながる 

IT化を実現するためには、ITツールやシステムを導入することになります。ITツールやシステムは、これまでの業務を支援してくれるため、業務の効率化を図ることも可能です。 

例えば、これまでは煩雑になりやすかった紙の管理をすべてデジタル化させることで、情報の検索などもしやすくなり、社員の作業負担も減ります。1人あたりの作業負担が軽減されれば、余ったリソースを使ってコア業務に集中することも可能です。 

また、帳簿に手作業で記録していくと、どうしても記載漏れなどが発生してしまいます。こうしたミスが発生すると修正にも時間がかかってしまうでしょう。ITツールやシステムを導入することで入力業務が自動化されると、ヒューマンエラーも回避できるようになります。

顧客満足度を向上させられる 

不動産業界でIT化を進めていくことで、顧客満足度の向上も期待できます。例えば、重要事項説明や契約手続きなどをオンライン化すると、顧客はわざわざ店舗まで赴かなくても良くなり、移動時間や交通費などを削減できます。日程の融通も利きやすくなるため、顧客側のメリットは非常に大きいです。

不動産業界におけるIT化の将来性 

不動産業界におけるIT化の将来性 

不動産業界のIT化が進んでいくことで、どのような将来性が期待できるのでしょうか?不動産業界では、コロナ禍をきっかけにビジネスモデルが大きく変わり、IT技術の導入が進んでいます。 

スマートフォンが普及した結果、消費者は必要な物件情報にすぐアクセスできるようになり、これまで不動産会社と消費者の間に生じていた情報格差が小さくなりました。 

顧客にとっては良いことですが、不動産会社にとっては他社にない特別な情報を持っていないと消費者は魅力を感じなくなってしまうかもしれません。手数料を値引きせざるを得ない状況に陥ってしまう可能性もあります。 

そこで、注目を集めたのがIT技術です。上記でも記載したとおり、ITツールを導入することで業務負担が軽減され、スムーズな顧客対応の実現が可能となります。

また、今後、不動産業界ではブロックチェーン技術の活用が進み、不動産取引の完全非対面化が実現するかもしれません。すでに国土交通省でも不動産にIDを設け、不動産関連情報を紐付ける「不動産IDルール」の整備に取り組んでいます。こうした背景もあり、不動産業界においてますますIT化は進んでいくでしょう。

不動産業界のIT化に影響する課題

不動産業界のIT化に影響する課題

不動産業界のIT化は各社にとって大きなメリットをもたらしますが、その反面IT化への壁としてさまざまな課題が浮上してきています。どのような課題がIT化に影響を与えているのかご紹介します。 

統合データベースがオープン化されていない 

まず、統合データベースがオープン化されていない点が課題として挙げられます。例えば、REINS(レインズ)では物件・取引に関する情報を確認できるものの、不動産事業者しか利用できません。

しかし、統合データベースがオープン化されれば、自社のデータベースと外部のデータを連携させることができ、物件情報の名寄せや紐付けが容易になります。また、消費者側もこれまで公開されていなかった情報が取得できるようになり、判断材料が増えるでしょう。

IT技術に対応できる人材が不足している 

IT化を進めていくためには、単にシステムを導入するだけでなく、その技術を活用できる人材が必要不可欠です。しかし、不動産業界では現在IT人材どころか全体的に人手不足に陥っており、深刻化しているのが現状です。 

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」で、産業別入職者・離職者状況を見ると、不動産業・物品賃貸業は2022年の入職者が1,464,000人だったのに対して、離職者数は1,097,000人となっています。離職率も2021年は11.4%だったのが2022年には13.8%に上昇している状態です。 他の産業と比較すると、7番目に高いことがわかります。

【産業別離職率】

  • 宿泊業・飲食サービス業:26.8%
  • サービス業(他に分類されないもの):19.4%
  • 生活関連サービス業・娯楽業:18.7%
  • 医療・福祉:15.3%
  • 教育・学習支援事業:15.2%
  • 卸売業・小売業:14.6%
  • 不動産業・物品賃貸業:13.8%
  • 運輸業・郵便業:12.3%
  • 情報通信業:11.9%
  • 複合サービス事業:11.0%
  • 電気・ガス・熱供給・水道業:10.7%
  • 建設業:10.5%
  • 製造業:10.2%
  • 学術研究、専門・技術サービス業:10.0%
  • 金融業・保険業:8.3%
  • 鉱業・採石業・砂利採取業:6.3%

産業計:15.0%

離職者数が増えると、その分1人あたりの業務負担も増えるため、新たなITツールやシステムの導入を進めていくことに後ろ向きな企業も増加します。 

不動産業界でIT化を進めていくために押さえるべきポイント

不動産業界でIT化を進めていくために押さえるべきポイント

IT化への課題はあるものの、ITツールやシステムを導入することが、業務効率化による社員の負担軽減につながることも確かです。ここでは、不動産業界でIT化を進めていくために押さえておくべきポイントを解説していきます。 

目的を明確にする 

IT化を進めていく前に、まずは目的を明確にすることが大切です。具体的な目的を立てずにIT化を進めてしまうと、社内から理解を得られず、失敗に終わってしまう可能性があります。目的を明確にした上でIT化を進めていけば、自社に適したITツールやシステムも探しやすくなるでしょう。 

IT化の目的は各企業によってさまざまですが、例えば業務の効率化や利益増加、顧客満足度の向上などが挙げられます。目的が定まったら社内に周知させ、理解を得られるようにしましょう。 

社内体制を構築する 

IT化を進めていくためには、社内体制の構築も不可欠です。そもそもITツールやシステムを実際に活用するのは現場の社員です。いくら経営者が良いと判断しても、現場の社員にとって使いづらいものになってしまっては導入の意味がありません。 

そのため、ITツールやシステムを導入する際には、現状の問題点を把握した上で、社員にとって使い勝手の良いものを選定するようにしましょう。 

IT人材・DX人材を育成する 

ITツールを導入する際には、ITに対する知見を広げておくことも大切です。研修などを実施して、社員のITに対する知見が広がればITツールも効果的に使いこなせるようになるでしょう。 

また、IT人材だけでなくDX人材を育成することも検討してみてください。IT化はアナログで行っていた業務をデジタルに移行することを指し、IT人材はデジタル移行に伴いツールの導入・運用などを手掛ける人材を指します。

一方、DX化はデジタル技術をただ導入するだけでなく、組織全体を変革していくことを目的としています。そのため、DX人材はデジタル技術やデータ活用に精通していることはもちろん、技術を活用して組織の変革まで担う人材になります。DX人材は企業風土や事業の性質などにも精通しているため、それぞれの事業に最適なシステム・サービスを選定できるでしょう。

不動産業界のIT化は必要!システム活用で効率化を図ろう 

不動産業界のIT化は必要!システム活用で効率化を図ろう 

顧客のニーズはコロナ禍をきっかけに変化しており、不動産業界もニーズに応えるための変革が求められています。この変革を推進するためにも、不動産業界のIT化は必要不可欠です。 

IT化によるツールやシステム導入は難しいと考える企業も多いでしょう。しかし、不動産業界に特化したシステムの活用によって、使い勝手の良さや導入による効果を実感できるはずです。 

いい生活のクラウドSaaS』は、多くの不動産会社から選ばれているクラウドSaaSです。IT化の推進を図ろうとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。 

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