入居者にマンションのベランダでプールを楽んでもらうための注意点を解説

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入居者にマンションのベランダでプールを楽んでもらうための注意点を解説

夏の暑い日に子どもと出かけるには苦労を伴うため、家で遊べる工夫を考える親御さんたちも多いでしょう。その工夫として「マンションのベランダにプールを設置したい」と考える方もいるはずです。外出せずに子どもの遊び場を確保でき、暑い日の涼み場としても活用できます。しかし、設置の際には注意点もあり、ルールを守らないと近所の方々に迷惑をかけてしまう可能性があります。不動産会社としては、共同住宅内のルールを守りつつ、ベランダの安全な使用を促すためにも、入居者への適切な情報提供が重要です。

そこで今回は、マンションのベランダにプールを設置する際に知っておきたい基本情報に加え、安全に利用する方法やプール以外のベランダの活用法などをご紹介していきます。マンションのベランダを有効かつルールを守って安全に活用できる環境づくりを支援していきましょう。

マンションのベランダにプールは設置できる?

マンションのベランダにプールは設置できる?

そもそも、マンションのベランダ部分にプールを設置することは可能なのでしょうか。結論からいえば、マンションによって異なるのですが、ここでは、その具体的な理由について解説していきます。

マンションのベランダは共用部に該当

マンションのベランダはそれぞれの住戸に属しているので専有部だと考える方もいますが、実は共用部になります。共用部とは、マンション内で全住民の共有箇所を指します。ベランダの他に共用部に該当する箇所は以下の通りです。

  • エントランス
  • 階段
  • 廊下
  • エレベーター など

ただしベランダは、その住戸の住人に限り自己都合で使用できる「専用使用権」があるため、「専用使用部分」と呼ばれています。専用使用権は、マンションにおける管理規約や使用細則が定められているため、住人はルールに沿ってベランダを使用しなければなりません。

プールを設置できるかどうかはマンションごとに異なる

実際にマンションのベランダにプールを設置できるかどうかは、マンションによって異なります。前述したように、ベランダはマンションの共用部にあたりますが、専用使用部分となるためマンション管理規約の内容によって「設置できる」「設置できない」が決まります。そのため、マンションのベランダにプールを設置したい場合は、一度管理規約や使用細則を確認することが望ましいです。

一部のマンションでは明確にプールの設置が禁止されている場合もあります。その一方で、管理規約にプールに関する具体的な内容が記されていないケースも少なくありません。管理人や管理会社などに相談するように事前に伝えておきましょう。

ベランダにプールを設置して使用する方法

ベランダにプールを設置して使用する方法

マンションの管理規約にベランダでのプール使用を許可する項目がある、もしくは管理会社などに確認をして使用を許可された場合は、ベランダにプールを設置することが可能です。ここでは、ベランダにプールを設置する際の注意点を解説していきます。

設置できるビニールプールは長辺2m以下

家庭用プールをベランダに設置する際は、建物の管理規約や安全性への配慮が必要です。

一般的に、マンションのベランダに設置可能なビニールプールのサイズは、長辺2m以下が目安とされています。ただし、ベランダのスペースや耐荷重の制限によっては、さらに小型のプールを選ぶ必要があります。設置前にベランダの寸法を計測し、プールのサイズが適切か確認することが重要です。また、マンションの管理規約ではベランダ使用に関する制限がある場合が多いため、事前に規約を確認することでトラブルを防ぐことができます。

また、プール使用時の安全面にも注意が必要です。滑り台付きなど高さのある仕掛けを含むプールでは、子どもがベランダの柵より高い位置に立つ可能性があり、転落のリスクを伴います。そのため、低いプールや簡単に遊べる水遊び用のおもちゃを選ぶ方が安全です。

さらに、ベランダの耐荷重を確認することも大切です。水を満たしたプールは予想以上に重くなるため、ベランダの構造がその重量に耐えられるかどうか、管理会社や建築の専門家に相談することをおすすめします。

ベランダプールに水を入れる方法

マンションのベランダにプールを設置する際には、適切に給水する必要があります。不適切な給水は、共用部分や他の住人に影響を与えるリスクがあるため、以下のポイントに注意してください。

まず、ベランダにスロップシンク(掃除用流し台)がある場合は、ホースを使用して直接プールに水を入れる方法が便利です。一方、スロップシンクがない場合は、キッチンや洗面所からホースをつなぐか、バケツで水を運ぶ必要があります。この際、ホースを使用する場合は蛇口に取り付けるアタッチメントの使用を検討してください。もしアタッチメントが使えない場合は、管理会社に相談し、適切な方法を確認することをおすすめします。

また、給水時には以下のようなトラブルを防ぐことも重要です。

  • 漏水や水こぼれによる階下への影響
  • 共用部の設備への負担

ベランダプールの水を排水する方法

ベランダでプールを楽しんだ後には水を排水しなければいけません。その際、プールをひっくり返して一気に水を流そうと考えるかもしれませんが、マンションによってはベランダに設置されている排水口部分に水を流すことを禁止しているケースもあります。「バレなければ大丈夫」だと考えて水を流そうと考える方もいますが、場合によっては排水管が詰まってしまい、下の階の住人に迷惑がかかる可能性があります。

入居者から相談があった場合は、プールの水をバケツで汲んで排水する、給水ホースを活用して排水するなど、キッチンやお風呂場に少しずつ排水するように伝えましょう。

ベランダへのプール設置や使用する際の注意点

ベランダへのプール設置や使用する際の注意点

ベランダにプールを設置し、実際に使用する際には以下の注意点を押さえておく必要があります。

  • 避難ハッチの上を避けてプールを設置する
  • 子どもだけで遊ばせない
  • 騒音に注意する
  • 事前に隣戸に声をかけておく
  • 遊んだ後はすぐにプールを片付ける
  • 排水溝に一気に大量の水を流さない

避難ハッチの上を避けてプールを設置する

ベランダに設けられた避難ハッチには吊り下げはしごが収納されています。これは、緊急時用の避難経路となるため、避難ハッチの上にプールを設置することがないようにしましょう。

また、プールを置くことによってハッチ内に水が入り込んでしまい、その影響から錆びが発生することも考えられます。重さによってハッチの蓋が歪み、開閉に支障をきたしたりする可能性もありますので、注意が必要です。

子どもだけで遊ばせない

ベランダにプールを設置して遊ばせる時は、子どもから目を離さないことが重要です。たとえ水深がわずか10cmだったとしても、うつぶせに転んでしまい気管に水が入り込んでしまえば、溺れて窒息状態に陥るリスクがあります。また、プールで滑ってベランダから転落するといった可能性もありますので、一瞬でも目を話さないことを注意喚起することが必要です。

騒音に注意する

ベランダにプールを設置すると子どもは喜び、遊んでいる時に大きな声を出してしまいがちです。近隣住民にとっては、騒音と感じられる場合もありますので、注意が必要です。子どもに大声を出させないように伝えるだけでなく、長時間遊ばせないように時間を決めておく、隣戸に声がけしておくといったこともも大切です。

遊んだ後はすぐにプールを片付ける

子どもがプールで遊び終わったら、すぐに片付けることが大切です。

というのも、プールをそのまま残してしまうと、大人が見ていない隙に子どもだけで入ろうとしたり、プールを踏み台にして柵を乗り越えてしまったりする可能性が考えられるからです。また、排水後のプールをそのまま放置すると、風で飛ばされてしまうこともあります。プールを乾かす際には完全に固定させ、乾いたら早めにプールを室内に取り込むことが大切です。

排水溝に大量の水を流さない

ベランダの排水溝は雨水を流すためのものであり、一度に大量の水を流すことを想定してつくられていません。そのため、一気に大量の水を流してしまうと、排水溝が詰まり階下に水が流れ込み、洗濯物などを濡らしてしまう恐れがあります。

その他のベランダでのNG行為

その他のベランダでのNG行為

マンションのベランダにプールを設置できないケース以外にもベランダでしてはいけないこと、設置できないものなどがあります。ベランダでのNG行為は以下の通りです。

  • バーベキュー
  • 花火
  • 喫煙
  • 行き過ぎたガーデニング
  • ペットの毛の手入れ
  • ゴミ箱の設置

バーベキュー

マンションのベランダは防災の観点上、火気厳禁となっているケースがほとんどです。そのため、火を使うバーベキューを行うことも禁止されていることが一般的です。たとえ火気厳禁ではなかったとしても、バーベキューの煙やにおいが周囲に広がってしまったり、大声で話して近隣住民に迷惑がかかってしまう可能性もありますので注意が必要です。

花火

花火もバーベキューと同様に、火災予防の観点から禁止されている場合が多いです。もし花火を行って火災が発生してしまった場合、保険の対象外となるため損害費用はすべて入居者の自費負担となります。

また、自室に影響がなくても、花火による火の粉が風で隣の部屋のベランダまで飛んでいき、下の階に火の粉が落ちるといったことでトラブルに発展する可能性もあります。

行き過ぎたガーデニング

ベランダでのガーデニングが禁止されているケースはもちろんのこと、ガーデニングが禁止でなくても行き過ぎたガーデニングによって近隣トラブルにつながる恐れがあります。例えば、植木鉢などを大量に置くことで、枯れ葉や土などがベランダの排水口に詰まったり、虫が湧いたりする可能性が考えられます。また、ベランダの柵に植物のツルを巻き付けてしまうと、景観がかえって悪くなるといったこともあるでしょう。ただし、ベランダに小さな植木鉢やプランターを置き、ガーデニングを楽しむこと自体は原則問題はありません。

ペットの毛の手入れ

ベランダでペットの毛の手入れをすると、毛が風で飛んでしまい、近隣のベランダなどに落ちたり、干していた洗濯物に毛が付着したりします。そのため、ペットの毛の手入れは窓を閉めて室内で行い、部屋が汚れる場合は浴室で行うようにしましょう。

ゴミ箱の設置

ベランダにゴミ箱を設置することで虫が湧く、カラスにゴミを狙われる、悪臭が近隣に広まるといった迷惑をかけてしまう可能性があります。

プール設置以外のベランダの活用方法3選

プール設置以外のベランダの活用方法3選

プール設置以外のベランダの活用方法としてどのようなものがあるのでしょうか。主な活用法は以下の通りです。

  • リラックスできるカフェスペース
  • 部屋を広く見せられるアウトドアリビング
  • 子どもの遊び場スペース

リラックスできるカフェスペース

ベランダが広めに設けられている場合は、テーブルや椅子なども設置しやすく、外の景色を眺めながらお茶や読書などを楽しめるカフェスペースを設けることができます。スペースに余裕があればガーデンパラソルなどを配置して日陰をつくるとさらに快適性が高まります。

部屋を広く見せられるアウトドアリビング

リビングと地つなぎになっている履き出し窓の開口部が広いベランダの場合、アウトドアリビングとして活用できます。

リビングのフローリングの同一もしくは同系色のウッドデッキを並べることで、リビングとの一体感をさらに高め、室内を広く見せることも可能です。テーブルや椅子などを設置してワークスペースを確保すれば、リモートワークにうってつけのスペースにできるでしょう。

子どもの遊び場スペース

子どもを遊ばせたい場合はレジャーシートやウッドデッキ、人工芝を敷くのがおすすめです。特にウッドデッキや人工芝は夏場でも床が熱くなりすぎず、快適に過ごせます。ただし、プールの設置と同様、転落のリスクがあるため必ず大人が見守るようにすることが大切です。

ベランダへのプール設置・使用はマンションのルール次第

ベランダへのプール設置・使用はマンションのルール次第

今回は、マンションのベランダにおけるプールの設置可否に加え、安全な利用方法や注意点、その他ベランダでのNG行為などをご紹介してきました。ベランダにおけるプールの設置可否は、各マンションの規約によっても異なります。直接禁止と規約に書かれていなかったとしても、念のため管理人や管理会社、オーナーなどに確認することがポイントです。

担当している物件でクレーム対応や規約の修正・変更などが発生した場合、賃貸管理システムを活用することで情報の一元管理ができ、対応もしやすくなります。マンションの賃貸管理をスムーズに行うなら賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』がおすすめです。

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